後回しになりがちなシステム障害のリスク
情報漏洩対策といえば、外部からの不正アクセスなどのサイバー犯罪や情報の持ち出しなどの人的なミスに対する対策が真っ先に思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
確かに、サイバー犯罪は日々悪質化しており、それに対抗できる情報漏洩対策は必要です。
人的ミスによる情報漏洩は最も多い事例であり、これに対する対策をしていなければ対策をしているとは言えないでしょう。
しかし、それ以外にも情報漏洩の原因となり得るものがあります。
それがシステム障害です。システム障害とは、ハードウェアやソフトウェアの故障、ネットワークの問題、または人的エラーなどによって、システムが正常に機能しなくなる状態を指します。
これにより、データの損失や不正アクセスのリスクが高まります。
システム障害の可能性はどの企業にもあり、実際にシステム障害を経験した企業は4割にものぼると言われています。
システム障害が発生すると情報漏洩のリスクだけでなく社内での作業が一時的にストップした状態になってしまうことも多いでしょう。
情報システムの中断に対して最も対策が取られているのは自然災害に対してですが、実際に起きやすいのはハードウェアの故障やソフトウェアのバグなどのシステム障害なのです。
システム障害が発生すると、以下のような情報漏洩のメカニズムが考えられます。
- データベースの不正アクセス: 障害によりセキュリティが脆弱になった場合、攻撃者がデータベースにアクセスし、機密情報を盗む可能性があります。
- バックアップデータの漏洩: 障害時にバックアップが適切に管理されていない場合、古いデータや機密情報が外部に漏れるリスクがあります。
- ユーザー認証の失敗: システム障害によりユーザー認証が不完全になると、不正なユーザーがシステムにアクセスできる可能性があります。

システム障害による情報漏洩の凡例
システム障害による情報漏洩は様々な形であります。
メールマガジンの配信サービスを行っていた会社にシステム障害が起きた時には、会員のメールアドレスが宛先に入ったまま送られるという事件がありました。
また、別の企業では顧客向けのサイトで個人ページを表示させると自分とは関係のない人の顧客情報が詳細に表示されるといった例もあります。
さらに、受験においてインターネットを用いて出願する際に、本人以外の出願者の情報が見られる状態になってしまったこともあります。
まとめ
システム障害による情報漏洩のリスクは、企業や組織にとって深刻な問題です。適切な対策を講じることで、リスクを最小限に抑えることが可能です。情報セキュリティの強化は、企業の信頼性を高めるためにも不可欠です。
情報漏洩に対して他のどんな対策をとっていたとしても、システム障害が一度起きてしまえば元も子もありません。
システム障害のスキを突いて情報を盗まれる可能性も考えられます。
システム障害が起きないような仕組み作りや、起きた時にどのように対策を取るかを具体的にしておくことで、リスクを最小限に抑えることができるでしょう。
